証明|モーメント母関数(3)

分散 $V[X]$ はモーメント母関数を用いると次のように表わされる:
$$V[X]=M^{(2)}_{X}(0)-M’_{X}(0)^{2}$$

証明

これはモーメント母関数の性質 : $E[X^{k}]= [\frac{d^{k}}{dt^{k}}M_{X}(t)]_{t=0}$ より証明される.

実際に $M_{X}(t)=E[\mathrm{e}^{Xt}]$ を $t$ に関して微分すれば

$$M’_{X}(t)=E[X\mathrm{e}^{Xt}]$$

このとき, 上式に $t=0$ を代入すれば

$$M’_{X}(0)=E[X]$$

また $M_{X}(t)$ を $2$ 回微分すれば

$$M^{(2)}_{X}(t)=E[X^{2}\mathrm{e}^{Xt}]$$

ここにまた $t=0$ を代入すれば, 次を得る:

$$M^{(2)}_{X}(0)=E[X^{2}]$$

よって分散 $V[X]$ は以下で表される:

$$V[X]=E[X^{2}]-{E[X]}^{2}=M^{(2)}_{X}(0)-M’_{X}(0)^{2}$$