曲面 $z=f(x,y)$ 上の点 $(x_{0},y_{0},z_{0})$ における接平面の方程式は次で与えられる:
$$z-z_{0}=f_{x}(x_{0},y_{0})(x-x_{0})+f_{y}(x_{0},y_{0})(y-y_{0})$$
ここで$f_{x}(x_{0},y_{0}),\ f_{y}(x_{0},y_{0})$ は 偏微分係数を表している.
復習:1変数関数 $y=f(x)$ の場合, 曲線 $y=f(x)$ 上の点 $(x_{0},y_{0})$ における接線は $y-y_{0}=f'(x_{0})(x-x_{0})$ で与えられた.
例題
曲面 $z=3x^{2}+5y^{2}+7$ 上の点 $(1,1,15)$ における接平面を求めよ.
解答 $f(x,y)=3x^{2}+5y^{2}+7$ とするとき, 偏導関数・偏微分係数は次で与えられる:
$$ f_{x}(x,y)=6x,\ \ \ \ \ \ \ \ f_{x}(1,1)=6$$
$$ f_{y}(x,y)=10y,\ \ \ \ \ \ \ f_{y}(1,1)=10$$
よって点 $(1,1,15)$ における接平面は
$$z-15=6(x-1)+10(y-1)\ \ \ \ \ \text{または} \ \ \ \ z=6x+10y-1$$
証明
曲面 $z=f(x,y)$ が偏微分可能でともに連続であると仮定する.
また一般的に点 $(x_{0},y_{0},z_{0})$ を通る平面方程式は
$$A(x-x_{0})+B(y-y_{0})+C(z-z_{0})=0\ \ \ \ \ \cdots\ \ \text{(1)}$$
で与えられる.
ここで平面方程式(1) の両辺を $C$ で割って, $a=-\frac{A}{C},\ b=-\frac{B}{C}$ とおけば, 平面方程式(1) は次のように書き表される:
$$z-z_{0}=a(x-x_{0})+b(y-y_{0})\ \ \ \ \ \cdots\ \ \text{(2)}$$
このとき方程式(2) が求めたい接平面とするために $a,b$ を求める.
まず接平面を $y$ を $y=y_{0}$ で固定した場合, 直線 $z-z_{0}=a(x-x_{0})$ は $y=y_{0}$ における曲線 $f(x, y_{0})$ の接線を表している.
このとき $y=y_{0}$ における$f(x, y_{0})$ の接線の傾きは $f_{x}(x_{0}, y_{0})$ であるので $$a=f_{x}(x_{0},y_{0})$$
すなわち, $a=f_{x}(x_{0},y_{0})$ は接平面の $x$ 軸方向への傾きを表している.
同様に求めたい接平面において $x$ を $x=x_{0}$ で固定した場合, 式 $z-z_{0}=b(y-y_{0})$ は $x=x_{0}$ における曲線 $f(x_{0}, y)$ の接線を表している.
このとき$x=x_{0}$ における$f(x_{0}, y)$ の接線の傾きは $f_{y}(x_{0},y_{0})$ であるので $$b=f_{y}(x_{0},y_{0})$$
すなわち, $b=f_{y}(x_{0},y_{0})$ は接平面の $y$ 軸方向への傾きを表している.
よって求めたい接平面の方程式は
$$z-z_{0}=f_{x}(x_{0},y_{0})(x-x_{0})+f_{y}(x_{0},y_{0})(y-y_{0})$$
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